「倫理と哲学かそれとも幾何学と天文学か。」
「御剣は休みの日でもそんなこと考えてるワケ?」
「気になればオン、オフも関係ないものだ。」
「そりゃ個人の自由だけどさ、フリルがなくても優雅っちゃ優雅なオフなことで。」
「フリルは関係なかろう。」
「そうかい?御剣って言えばフリル、フリルって言えば御剣じゃないの。
僕は少なくともそうだね。フリルを見るたび思い出すんだ、君を。」
「喜ばしいことなのだろうか。」
「吐麗美庵なんかの制服もフリルがたっぷりだったから顔が浮かんだよ。
なんか星空にサムアップサインをして『春風のようなサワヤカなアイツ』みたいに。
あの店のコーヒーを飲んだ後のような気持ちが胸いっぱいに広がったな。」
「ソレは・・・まいる。」
「アレは困る、でなく?」
「・・・・・・・・・。」
「ま、いいや。存分に思索にふけってよ、哲学とか倫理とかそういうものだよ・・・確か。」
ぶつかった休日。
ベットにはうつ伏せに寝転んだ恋人。
「そういえば『人間は考える葦である』って言うしね。」
「それか。」
「なにが。」
「パスカルだろう?」
「へー。知らないよ。」
「数理哲学者、そういうことか。成歩堂、ありがとう。」
「こう言う時はスラスラと言えるのな。てか、いい易いのかな。その語呂。
なんとなくわかったけど、なんで僕のまわりの人たちって自己完結タイプが多いんだろうね。」
一人ぶつぶつ呟きながら資料を探りに行きにあるであろう恋人を、
休日の弁護士はフリーペーパーを捲りながら視界の端に追いやった。
アカデメイア
(Academe n.)
古代の学校で、倫理学や哲学を教えた。
CAST
赤い検事
青い弁護士
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