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牙琉は一流の弁護士でその稼ぎは事務所の調度品を見れば、一目。
であるのに、お茶請けは意外とどこで売っているのかと思うものを買ってくる。
コンビニでは見かけない300円台の袋詰めの個別包装のお茶請けは
恐らくスーパーで買ったのだろう。



(自分で行ったんだよな。)



一流で一流になにかと拘る癖して、新聞の記事よりも挟まれている
チラシに長く目が留められていたりする変なところが小市民。
普段着であるスーツで行ったのかと考えると笑ってしまう。
茶色い木製の平たく丸い器には、祖父母のうちにいったときに
見たような茶菓子が詰められていて、自分の目から見ても
高そうな口当たりのいいティーカップとかなり合わない。
男が個別包装の袋をしっかり袋のまま開けるようにぎざぎざから
切らずにパンと開いて半ばだけ菓子をだして齧りつつ、ティーカップを
傾ける姿は、腰を降ろす座り心地が良くて艶の良い革張りのソファ
であるから噴出してしまいそうだ。
合うものと言えばこの名前だけ。


[ポエムケーキ]と書いてあるなんの変哲もない、マドレーヌのような菓子。
どこのあたりが[ポエム]なのか検討もつかない。
ハート型や花型ならファンシーで、それはそれでそれを齧る姿なんてもっと
見ていられない、少女趣味とポエムと納得できるような気がする。



「しっくりこない、と言った顔ですね。」
「たしかに今の格好はこの事務所にしっくりこないんじゃない?」
「パーカーにニット帽子に素足でサンダルで無精ひげで‥‥
 この事務所にふさわしい客人には見えませんからね。」
「きみね‥‥。」




冗談ですよ。と笑う男はどこまで本気なのか‥‥きっと本気だ。
爪にまで身なりを気にするのにどうしてそこに気が回らないのか。
きっと自分が客であるからこのような菓子が振舞われるのだと思うことにして、
以前依頼人が謝礼の品として買ってきた有名点のケーキを食べていたときよりも
自然にリラックスして楽しんでいるようだと言うのもなかったことにして、
出された、紅茶とケーキに手を伸ばした。




「『嫌いなものは殺してしまう、それが人間のすることか?』
  『憎けりゃ殺す、それが人間ってもんじゃないのかね?』」
「また、唐突に物騒ですね。」
「個別包装なら袋にそれくらい入れられるって。」
「お茶時にみたいものでないし、第一それは[詩]ではないでしょう?」
「じゃあさ、牙琉ならなんて入れるんだい。」




「『ばらよ、きよらかな矛盾、
  あまたの瞼の下で、だれの眠りでもないという
  よろこびよ。』」




すぐには出ず、少し間をもって。




ぼくは、ばらと言う花が浮かばなかった。




「パッケージに合うと思う?」
「合わない、ですかね?」



丸文字で書かれた名前にチープな味。
だいそれた、詩だ‥‥。




出典は思い出せないと言うから、調べてみたら。
とある詩人の墓碑銘で。
お互い、ロクなものを覚えていやしないが、流れる時間は穏やかなものだった。






「『嫌いなものは殺してしまう、それが人間のすることか?』
  『憎けりゃ殺す、それが人間ってもんじゃないのかね?』」

シェイクスピアの[ヴェニスの商人]、劇中の台詞。
バッサーニオとシャイロックの掛け合い。


「『ばらよ、きよらかな矛盾、
  あまたの瞼の下で、だれの眠りでもないという
  よろこびよ。』」

ドイツの詩人、リルケの墓碑銘。
彼の墓はスイスのラロンにある。


ポエムケーキ
名前の由来が不明過ぎるケーキと言うなのなにか。
ぱさぱさしてそうにみるがその味は未体験。
とりあえず甘いことだけはわかる。
価格は328円。


後書

いつにも増して意味不明。
ぱっとでる言葉でその人の人柄はわかる。
そんなフィーリング。
ちなみに煩蔵が浮かんだのは、

[蛇のやうなあそびをしよう]

‥‥うん、場にそぐわないというか。
昼から話す話題ではありません。ね。

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