逆転裁判オンリーサイト 【電気ネズミはアポロジャイズの夢をみるか】 のブログサイトです。 最初の3つの記事はABOUTみたいな。
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「ありがとう、牙琉。助かっちゃたよ。
 感謝してる。いつも迷惑掛けるね。」









いつもは当然のように言わないか、茶化すように軽く述べるに留まる感謝の念。
それを珍しく男は愁傷に声に出す。
何度も騙されてきたというのに歓喜の渦に飲み込まれそうになる己がつくづく、
オメデタイものだと笑ってしまう。
もし何も知らずにいれば素直に応えてしまいそうになる言いようは、
ズルイとしか言いようがない。















「口先ではなんとでも言えるでしょう?」














伴うものなどないと言うのに。
受け入れていれば、幸せなのかもしれない。
言わぬが花とも言えるのだそういう意味では。
あぁ、笑う。
あの男は屈託なく。












「そうだよ。なんせタダだから。」










何故だが叩かれた憎まれ口に嬉しそうにぬけぬけと言う男に
私はいつも負けてばかりいる。










(そう言うことさえ、お見通しなのだ。)
















から生まれてきた男
                       (わたしも、そして、また)












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本編はつまったけど(原作沿いとか無理だった)、
設定はフル活用な自分。
リリロジ設定。


CAST

緑の検事

青い弁護士

 




駆け引きと言うものは詰まるところ、
押すか引くかどちらかなのだろう。
・・・どちらでもない、動かないと言う手もある。
とあの男なら言いそうだが、それを取れば彼は
己の前に現れなくなるのではないか。
あの男はあの男と言うからには女性ではない。
同じ男である、そして同性である己に対してはあの男は
やせ我慢とも言えるプライドを立てる。
己の方から接触を立てば、追ってくることはなく、
元々接点もない互いの身。
何事もなかったように己のいない日常にみつけるのだろう。
に反して、娘を含めた女性に対してはそうでもないのが
不思議なところだ。
ここ数ヶ月、仕事の合間を見ては不審にならない程度に
食事に誘っていた。
あの男も慣れてきたのか「悪いなぁ。」と
社交辞令的を言って承諾し、断ることはあまりない。
拍子抜けするほど、順調である。
しかし今現在、己の立ち位置はあの男の中で
都合の良い男に落ち着いたのではないかと疑念が過ぎった。
よくよく考えてみなくとも、あの男の前での
振舞いは女に振り回されている男のそれだ。
見返りを求めずに、笑顔で応対しことあるごとに食事に誘い。
来易いようにと娘に渡す土産まで毎回持たせて。
思えば、馬鹿なことをしている。
行き着きたい場所は真逆であるのに。
偽りを抜きにしてあの男と己との間柄は
友人と言えるものではないのではないか。
まるで、恋人のそれも使われていると
言うのに嬉々として手を取る馬鹿な男。
あの男はしたたかだ、
したたかにならざる終えなかった結果だとしても。
原因が己にあるのだとしても。
様子を見よう――――もしかしたらそれはあの男への
自己の認識の再構築や再検討を己に
促そうとする期間であったのかもしれない。





だのに、二週間として持たなかったのだ。
愚かしいことに。





あの男とは違うと自負する高いプライドは
あの男の前ではそのような精神の自己保全を図る本能も
体面を努める理性の働きも心地よい一種の倒錯的な
耳に障る音を立てて崩れていく。




「久しぶりですね、成歩堂。」




元気でしたか、と声を掛けると男はいつものピアノの前の席で
行儀悪く上半身をべったりとうつ伏せて座っていた。
その向かいに座ろうと近づく足音に反応して
ノロノロと頭をもたげる男の顔は憔悴しているようにも見え、
考えるまでもなく気分が良かった。




「牙琉・・・。」




低い声は掠れていて心を弾ませるものであるが、
そこに喜びや楽しさと言った感情は見受けられず、奥歯に力が篭る。
ギリッと口内で大きく響く軋みは口外には全く響かない。
あの男の耳に届くはずがないとわかっていながらまるで
精神が立てた音のように、動揺が冷静であろうと努める思考に走る、
苦味を伴って。
椅子を引いて座る。
ただそれだけの動作を自然に行うのに酷く手間取った。
椅子の背を持つ手に力が入り、想定より上に浮き、床と接触する。
音はなかった、当たり前だ。
一度足りとてこの席に座る際にそんなことをした覚えはない。





「すいませんでしたね。」




気付けば謝罪の言葉が口をついていた。
常ならば、嫌味を返す際によく使用するものであるのに
そこには本来の意が込められていた。
意図ではなく。
ここ最近、忙しくて。
凡庸な言葉の連なりは余りにらしくない、捻りのなさ。





「・・・・・・いいんじゃないかな。」





表情筋は硬く唇は弧を描いたまま、硬質化した。
変わりようがなかった。





「何故、ですか。」




常でなくても、らしくなくとも会話を続けるしか術が浮かばない。





「あぁ。」







・・・・・・いいんじゃないかな――――死ねば。







「そう言おうとしたんだよ。」

 



牙琉、と念を押す、グラスの氷のキューブが解けて、
涼しげに転がるように。
同時に唐突にわかってしまった、
表面に結露する水滴にも似た零れた笑みに。
男は悲しんでなんかいやしないのだこれっぽちも。
男は寂しさなんて抱いていなかったのだすこしも。
どちらも己の方が勝手に描いていた
水に歪んだ波紋を広げる幻想だ。




「ウクライナ風ボルシチとピロシキ、サラート・セリョナヤ。
  あとグレープジュース2ビン。先生はどうする?」
「私はロシアン・サラダとフレープ、
  ロシアンティーをグリオットチェリージャムで。」




男は何事もなかったかのようにウェイトレスに注文する。
その顔は眠たげでいてそう見せているだけの顔だった。

君が誘ってくれないから、
死んじゃうんじゃないかと思ったんだよ。
などとこともなげに言うのはきっと比喩ではなく。
ただ単に浮くと思った食費の分、浪費しただけなのに。
なんて計画性のないと、と思えば。
あの男の生活には己が気付けば組み込まれていたのだと、
笑ってしまった。
詰められてしまっていたのだ。
既にこの男に自分は。
それこそ留まれず、後には引けぬほど。
だとしたら、考えるまでもない。




「趣向を変えてみましょうか。」





ひとしきり頼んだ料理を持ってきたウェイトレスに
ワイングラスを2脚頼むとグレープジュースが減ることに
面白くなさそうな顔を向かいの男は見せる。
筋肉がほぐれたよりも緩みで自然に浮かんだのだと
帰した笑顔を厳密に述べれば、更にその表情を深くする。

 



「おやおや、懐の狭い男ですね。」
「懐は狭いんじゃなくて、寒いんだよ。」

 



注がれた液体は良く見れば
ヴィクトリアン・モーブとワインレッドを合わせたような
色合いを称え、天井の昼間の蛍光灯を映す。
薄く上等なワイングラスの触れ合いは小さく
ハンドベルの音色のように澄んで、店内の喧騒に嚥下されていった。








いいんじゃないかな






弁護士とピアニストの場合







 

 

7年と言うのは短い歳月ではない。
人が生まれて死ぬには十分な時間であるし、
変わるには多すぎるとも言える期間である。
何事をなすには余りにも短く、何事もなさずには余りにも長いと
どこかの――――ジャンルで言えば純文学で、
それも教科書で取り扱っている作品のなかの
一節が浮かぶ‥‥‥‥単元名は思い出せない。
それを読み、学び、なにを得たかが重要なことで
内容云々ではないな、と逃げるも
別段読前と読後で自分に変化が訪れたかと
言われれば言葉に詰まる。
一朝一夕でどうにかなるもんでなし、
人生の肥やしにはなるだろう。

 

 

 


(‥‥諦観か)

 

 

 

 

諦観、若さとはまた別として
自分には似合わない語であるが今だけは
それが正しいと認めざるをえなかった。

 

 


「牙琉検事はデビューこのかた、
  ラブソングしか歌ってないんですよね?」
「うん、そうだよ。」

 

 

 

なにか、なにか言わなくては。
開廷への時間はこちらの事情など一切かまうことなく、
チッチッチッチッと耳に付く音で言動を急かせようと、
気を昇らせようとしているかのようだ。

 

 

 

 


(落ち着け、落ち着くんだ。)

 

 

 

 


そうやって沈めようと何度も語るのは
落ち着いていない証拠を自ら突きつけているも
同じことで、また発声で痛めた喉が渇き痛い。
後ろ暗さがあると尚更、口は重くなる。

 

「オデコ君はどう思った?
 一般と言うか‥‥幅広い年齢層や傾向の
  意見が聞いてみたいからね。」

 

 

ロックでラブソングで365日×7(閏年を入れたらもっとだ)も
メジャーで売れ続けていたのだから、
自分にはわからないが凄いものなのだろう。

 

 


誠意と言うものの精一杯を振り絞った一滴。

 

 

 

「ご‥‥語彙力が豊富なんですね。」
「ああ、うん。歌詞は、ボクの気持ちを
  オンナノコたちに伝えてくれる大切なものだからね。
 ありがとう‥‥‥‥。」

 

 

 

 


(気を使わせてしまったみたいだ。)

 

 

 


煽てて口を軽くさせようなんて、やっぱり自分にはムリだ。
愛を囁くにしても、そうであるように。

 

 

 

 

「そういえば、オデコ君は自信があるのかな?
 今回の法廷はさ。」
「なくて相手検事に会ってたなんて疑われちゃいますから。」
「そりゃそうだ。」

 

 

 


今日もまた証言台に立つであろう彼女は
彼が歌ってきた万の愛の言葉も
難なく蹴っ飛ばしてしまうのだろう。
弁護席で自分は冷や汗をかきながら拙く
真実に近づこうと言葉を尽くす。
依頼人には生きた心地がしなかったと今回も
また言われることは目に見えているけれども。

 

 

「お互い、頑張りましょうね。」

 


しみじみと呟くように発した語に、
付き合いから感じ取ったのか返される
緩慢とした頷きの同意はまだ始まってもいないと言うのに
肩の重みをます結果となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言い紛らす 

(prevaricate v.)
おれの彼女を器量がいいと思うか、
と友人にきかれたさい、
「表情ゆたかな眼をしているね」と答える。

 

 

 

 

CAST

紫の検事

赤の弁護士

 

 


ロジックとリリック設定なので
\(^o^)/万歳お手上げからどうぞ。


CAST


赤い検事
青い弁護士





前を行く男の背中は猫のように少し弧を描く。













毎朝開く新聞に取り上げられた一面は覆い隠すように芸能面を持ち上げるが
隅に追いやられた記事では年々減少を見せる人口がその一途を辿るであろうことを裏付ける。
事務所で休憩時間中にニュースを見ていると見飽きるほどに流れてくる
情報は、その大半が好ましくないニュースだ。
チャンネルを変えれば同じニュース番組であっても流行やスポーツ情報を伝える
ものがあるが興味はなく、BGMであるかのように流しながら資料に手を伸ばす。
痛ましい犠牲者が呼び上げられると一瞬仕事が手につかなくなる。
偽善であるなと思いながら、痛ましいですね、と目新しくもないのに
呟く新入りの弁護士に、そうですね、と返していたことが浮かび笑ってしまった。










遠くの自らと面識の無い者に対しては軋むというのに
身近で親しくしているあの男に対しては苛まれることがない。










それどころか安らぎを感じて。











(あなたは今、辛いのですか。)











自然とほころぶ口元はさぞかし優しく歪められるのだろう。
すれ違いざまに感じる視線からわかる自分の表情に充実する満足を覚えさする。
ペタリ、ペタリと間抜けな音を立てて石畳を鳴らす靴底も嘗てはコツ、コツと
硬質的な音を立てて裁きの庭に足を踏み入れていた。
パーカーに包まれた背中は彼の正しさを象徴するような青い背広で包まれ
真っ直ぐに伸ばされていた、これからに向かって。












「キミといると落ち着くね。」













やわらかく、振り向かれもせずに囁かれた声はあたたかく。
振り向かれた表情は見ずとも同じだった。




















(comfort n.)
 隣人が不安を覚えているさまを眺めることから生ずる心の状態。










CAST


紺の弁護士
青いピアニスト







死より確実なものはなく、死期より不確実なことはない。
















この男が申し渡された前に死ななければ、否、
死のうとしなければ死は誠実に白い歯を見せる。
殊更に足音を立てて喚起を促し、忍び寄りもしないのだろう。
一言も言葉を発する素振りを見せずに、男は私を見ていた。
牢獄にいてもなお、豪奢に飾られた一室と整えられた身なりは
外となんら変わりない。
穏やかな表情は最期を悟っているからだろうか。
女性のように丁寧に巻かれた睫から覗く瞳には憧憬とそれ以上の憐れみ。
私はまるでこの場が立ち尽くす咎人達の檻ではなく、街はずれの
慎ましい教会の中で跪く牧師の前にいるような目眩を感じた。
人を殺したものが、神の下に逃げ込み改心し、
人に救いを説くと言う筋書きは何世紀も前のものだ。
逃げ込みもしないし、救いを説くこともない、
神の下ならば呪いこそすれ祈らない。
悪い行いをしたものこそ、その尊さがわかるなどという馬鹿げたことか。
そのものを救うことこそ、願っているものなのだと言うふざけた話か。
つまらぬ自尊心のために彼を貶め、陥れたこの男に。
















(救いを、許されるはずがない。)

















男は箱のなかに閉じ込められている。

















なにを不安がることがある。
なにが男に出来るというのだ。
なにも出来もしないし、不安を募らせる必要もないではないか。
























多数の人々が鎖につながれ、死刑を宣告されているさまを想像しよう。
眼前で絞め殺され、残った者は、自分たちも同じ運命をたどることを悟り、
悲しみと絶望の中で互いに顔を見合わせながら、
自分の晩がくるのを待っている。












生まれながらの死刑囚か。
私達はその光景を当然としながらも恐れている、
目を覆った手の指の隙間を空けて覗きながらも、だ。
あの男はこの審理を悟ることなく、信じている。
盲目的に男が追い求める神の下で。
看守以外の人物が来なくなって久しい隔てられた己が
檻に革靴のコンクリを叩く音は大きなものだった。
暦が外された壁はなんのためであるか告げることはない。
厚くただその沈黙を守っている。
諳んじられるまで読み返した思想書をテーブルに置き、視線を合わせると、
しかしてあの男だった。
訪れるに相応しくない地位と絢爛さに身をつつみながらも凡庸に足を向ける。
思い詰められた表情は何も悟られていない証し。
鋭く研ぎ澄まされ、加えられた力に歪む瞳には同情とそれ以上の困惑。
私はなぜか自分が罪人ではなく、神による救済と幸福を疑うことを知らない
敬虔な信徒の前に立つみすぼらしい町はずれの教会の神父に
なった気がしてならなかった。
人を裁くものが、神の下に逃げ込む、人を裁くことに怯えるが故に。
逃げ込んで、裁きを望み、神の下で安寧を覚えるも救われない。
悪い行いをしたものに、相応の罰を与える正当性か。
そのものを罰することへの、躊躇する良心の呵責か。
つまらない執着心で己を堕とし、堕落した男だ。















(救いを、望んでいるのだろうか。)















男は掌の上に閉じこもる。



















なにが駆り立てるのか。
なにを彼が叶えるというのだ。
なにも叶えることはなく、駆り立てるだけなのだ。




















彼は一人、笑う。























れむべき
(pitiful adj.) 
あなたを相手に遭遇戦を行ったと想像したあとの、
あなたの敵ないし敵対者の状態。















すべての人間は幸福になることを求めている。
これには例外がない。
そのための手段はいかに異なっていようとも、
彼らはみなこの目的に向かっている。
これはあらゆる人間の、自ら首をくくろうとする人々に至るまでの、
あらゆる行為の動機である。












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