家庭科の時間。
包丁の使い方を少し習ってからいきなりやった林檎の皮むき。
包丁でまるままのリンゴを一本に切れないように繋げてむくなんてレベル高過ぎる
んじゃと思ったものだ。
けれど、やってみれば意外と出来るもので、太いながらも一本で繋がり
あの時は自画自賛したくなったのを覚えている。
今では切ってからリンゴをむくので役に立っていない。
はじめと言う先生の声で包丁を掴んだ。
次はリンゴを持って刃に親指をそえてむいていく。
器用な子は女子とか男子とか関係なくするするむける人は向けて
不器用な子は見ているこっちがハラハラする。
むけたら終わりなので焦る必要はない、ようは長くむければいいのだし。
だから先生も時が長くなりそうでも見守っていた。
「御剣、もう包丁持つのやめろ!!」
リンゴを持つ左手はまな板に林檎を押し付けて。
包丁はリンゴを皮と身と一緒にむいていかれると言うよりも削るで、
前に何人かやってるのを見ていたはずだし、先生だってそんな教えかたしていないし、
アイツの親だってこんなことしないはずだ。
「なんでこんなことを・・・。」
「難しいな・・・。」
「うん、そりゃあ難しいだろうね(そんなむきかたじゃ)。」
それから一緒に料理をする機会も当然ながらなかったから、なく。
料理の以前の腕前はどうなったんだろうかと、思い出しながら
デザートのリンゴにフォークをさした。
カシュっ
角刈りリンゴの唄
(だまあってみていたあおいそら)
PR